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「旅籠屋日記」は、会社の公式見解ではなく、当社の創業者で代表取締役を務めている
甲斐 真の日々の思いをつづった 個人的な日記あるいは随想です。
したがって、書き込みの内容についての責任は会社ではなく、個人に帰します。
ただし、その信条や個性が「旅籠屋」という事業を生み出し牽引する、
重要かつ不可欠な要素であると考え、
あえて「旅籠屋日記」という名称を用い、 「旅籠屋」のサイト内に置いています。
「旅籠屋」という会社やその事業が、
広く社会の中でどのような存在になることを目指しているのか、
その理念とコンセプト、背景にある感性の源泉を汲み取っていただければ幸いです。

2018年7月15日 観光客として、いつも思うこと

「井原店」と「函館店」のオープン準備にはさまれた今週、一足早い夏休みをとってクルーズ旅行に出かけた。
こんな忙しい時に、と自分でもいら立つが、去年申し込んだ時にはこんなタイミングになるとは思っていなかった。
キャンセルしようかという迷いもあったが、目的地が滅多に行けない小笠原なので、振り切った。

東京から1000kmも離れた絶海の孤島、世界自然遺産に指定された独特な生態系、白人などが先に住み着いたという特異な成り立ち、戦争、占領、返還を経てきた歴史。
好奇心が刺激され、一度はその場所に立って、自分なりに感じてみたいと思った。
あらかじめ情報処理されていない生の空気、バーチャルではけっして得られない。
五感のアンテナを伸ばし、感性で自らの心の反応を探る。これこそが旅の楽しみだ。

滞在は2日間。オプショナルツアーに参加して父島の森や浜辺を散策、固有の生物やその進化を解説してもらう。
青い海と常緑の山々の素晴らしい眺め、人間の身勝手と自然の深みを実感できて暑さを忘れた。
ところが、いつものことながら、ここで暮らすガイドさんへの興味の方がどんどん強くなる。

父島に住む彼女は、20年前にダイビングが好きで島に移り住み、ふたりの子供を育て、上のお嬢さんはこの春北九州の大学に進学したそうだ。
常々言っていることだが、日本の社会はレンジが狭くて、「普通」に生きていくことへの同調圧力が強い。
それが人一倍嫌いなくせに、同じように相手の「普通」からの距離を測って、納得しようとする俗物の自分がいる。

どうやって生計を立てているの? 「普通」の人生から外れることへの迷いや抵抗はなかったの? ご主人は? いつか島を離れて本土に戻るの?
根掘り葉掘り聞きたくなるが、それは彼女のプライベートなことで、観光客がそんな質問をするのは失礼だという良識は持ち合わせている。
でも、もし尋ねたとしても、すらすら答えてくれるか、話す必要のないことでしょときっぱり断るような毅然とした雰囲気が彼女にはあった。

海外のあちこちを訪ねるといつも、故郷を遠く離れて生きるガイドさんたちの人生を覗いてみたくなる。
訊かれることも多いのだろう。自分から面白おかしく話してくれる人もいる。
共通しているのは、そんな彼らがとても魅力的なことだ。
多分、日本人としての「普通」と違う生き方をしてきたことへの迷いや悩みが彼らを自覚的にし、人生を選び取っている意思や意志がそこにあるからだと思う。
私は、そういう人間にとても強いシンパシーを感じる。
仲間内のなれ合いに安住しようとする人を好きになれない。日本人にはそういう人が多すぎる。どんどん増えて劣化しているような気がする。
「旅籠屋」を起ち上げた思いの半分は、この辺りにある。

ところで、こんな仕事をしているが、私は旅マニアでも、旅の達人でもまったくない。
恵まれたことに、毎年のように数日は海外に出かけているが、ほとんどはガイドさんに頼る。
説明を聞かないと気づかないままに終わってしまうからだ。
もう一度若い頃に戻れたら、留学して、言葉を覚えて、暮らしてひとりひとりとコミュニケーションしたいと思うが、さすがにもう遅い。
だから、ある意味上っ面の観光旅行なのだが、それでも感じることは多い。

毎回のように気になるのは、ルームメイクに携わる人たちに出稼ぎや移民と思われる人々が多いこと。
なんとなく、嫌な感じがする。
人種差別の国に行って、自分が「名誉白人」として遇されているような居心地の悪さ。
チップを渡すのも、上から目線みたいで、気が引ける。
先進国だとその確率が高い。アメリカも、イギリスも、フランスも、ドイツも。
北欧にいくと違っていてほっとする。

浅草の近くに引っ越してきて、もう20年以上になるが、最近、どんどん外国人が増えている。
犬の散歩をしていてすれ違う人の半分以上は、日本人じゃない。誇張ではない。
この1年で、家の周りにインバウンド客向けのホステル、簡易宿所が3軒もオープンした。
東横INNやアパホテルから出てくる人も大きなスーツケースを引いている外国人が多い。

世界中の人たちが、自由に行き来できる平和で豊かな世の中は素晴らしい。
私も、もっともっと未知の国々に行ってみたい。
多少なりとも異文化体験と相互理解が深まることは、無知による誤解や恐怖のプロバガンダに抗する貴重なことだと思う。

でも、私は、度を越した、無遠慮な異邦人の襲来はけっして健全なことだと思わない。
そこに暮らしている人がマジョリティで、観光客はあくまでマイノリティであるべきだと思う。
ちょっとお邪魔します、という謙虚さとリスペクトが失われたら、観光は生活や文化やアイデンティティを破壊する。
これは、国内においても同じことだ。
こんな仕事をしていながら、私はいつもこんなバランス感覚にこだわっている。
インバウンドの波に乗ってひと稼ぎ、空き家になったワンルームマンションを民泊に活用、なんていう感覚は好きになれない。
ナイーブ過ぎると言われるかもしれないが、こんな感覚を失いたくない。

この数か月間、「カンブリア宮殿」というテレビ番組の取材を受けた。
数日後に放映される。ありがたいことだ。
だが、先日予告編を見たら、嫌な予感。
上に書いたようなことをたくさん話したのだが、またぞろ「ユニークで格安な宿」という紹介に終始するかもしれない。
そうでないことを願っている。
「旅籠屋」に込めた思いが、少しでも伝わればよいのだけれど。

2018年1月10日 日本で唯一のMOTELチェーンとして

先日に続き、雑誌へ寄稿した文章の転載です。
週刊ホテルレストラン1/5〜12号に掲載されています。内容が一部かぶります。
顔写真が余計ですが、黒塗りするのもわざとらしいので恥ずかしながらそのまま。




2018年1月5日 MOTELの社会的意義とは

年末年始の休みも終わり、本社はきょうから平常勤務。
店舗も順調に増え、おかげさまで稼働率も堅調(こちらのページで公開しています) だが、さすがに、役員を含め本社スタッフ15名では、人手不足。
昨年から、求人募集していますので、「我こそは」という方は、ぜひ会社説明会にいらしてください。数名採用の予定です。

さて、今年最初の日記は、「月刊 ホテル旅館」(柴田書店発行)に例年寄稿している原稿の転載です。
あらためて、日本における「MOTEL」ビジネスの意味について、考えてみました。

年頭所感 「2018年の展望と課題」

日本にも、アメリカのMOTELのような車旅行者が誰でも気軽に利用できる宿泊施設をと願い、「ファミリーロッジ旅籠屋」をスタートさせてから23年、
全国各地60ヶ所以上に直営店を展開できるようになりました。

ここで、日本においてMOTELを普及展開することの意義について、あらためて振り返ってみたいと思います。

まず1番目に挙げられるのは、車社会を支えるインフラ施設の整備」ということです。
気兼ねなく、好きな時に、好きな場所に行ける、これこそ車社会の価値なのですが、未だに宿泊施設は駅前や観光地に偏在しており、ロードサイドに目立つのはビジネスホテルばかりです。全国1000ヶ所以上に増えた「道の駅」にも宿泊施設は稀です。意外なことに、日本の車社会には必要不可欠のインフラ施設が欠落しており、車本来の利便性が発揮されていないのです。
ちなみに「ファミリーロッジ旅籠屋」のうち3店舗は高速道路のSA・PA内にあるのですが、その意味は小さくありません。途中で泊まることによって安心して長距離離ドライブを楽しめるようになりますし、これまで早く目的地に着くための通過路に過ぎなかった高速道路が地域への結節点として機能できるようになります。

意義の2番目は、「周辺地域への貢献」です。
MOTELは基本的に宿泊特化ですから、宿泊客は周辺で食事・買い物・観光を楽しんだり、仕事をしたりします。つまり、宿以外でお金を使います。
また、宿に付加価値がないため、集客のためには地域の魅力を自力で宣伝することになります。放置されていた土地が活用され、長期間安定した利益を生む存在に変わるという面もあります。
地域振興や地方創生が叫ばれて久しいのですが、一過性ではない活性化のためには、地元に根付く宿泊施設が必須なのです。「ファミリーロッジ旅籠屋」は12〜14室と小規模のため、需要の小さな町や村にも出店できます。目立って増えている自治体からのお誘いに優先的に応えていきたいと考えています。

3番目はちょっと抽象的なのですが、MOTELは「自由で自立した旅を提案する」存在であるということです。
我々日本人は周囲の評価に流されたり、事前の計画をなぞるだけの旅をする傾向があります。自分なりに時間を楽しみ、価値と価格を賢く選択する旅、アメリカのMOTELで痛感するのはそうした自由で自立した感覚です。
日本にMOTELが普及していくことは、素泊まりで何のサービスもない安価な宿が増えるという表面的なことではありません。自由で自立した旅を楽しむ感性や価値観を提案し、サポートし、醸成していくことに隠れた意味があると思います。

4番目は、「日本では珍しいユニークな就労機会を提供する」存在であるということです。
MOTELは一般庶民の宿であり、そこで働く人たちも上昇志向にとらわれたエリートではありません。田舎の寂れたMOTELでマイペースで暮らしを営むたくさんの人たちの姿に都会とは違うアメリカを見ました。
現在、当社には200人を超える社員がいます。そのほとんどは全国に散在する店舗の支配人たちです。ふたり一組の正社員に運営業務のすべてを任せます。分け隔てなく多様なお客様を受け入れるというのと同様、社員も国籍・年齢・性別などの形式、あるいは学歴・職歴など過去にとらわれず、採用してきました。別姓やLGBTの方々も同様です。これは、けっしてきれいごとではなく、容易なことでもありません、日本社会や日本人の「常識」に対する大きな挑戦なのです。

5番目は、MOTELが日本では先例のない業態のビジネスだということに起因するのですが、「不合理な規制などへの問題提起を行わざるを得ない存在」であるということです。
ここ数年、「民泊」の急増と合法化が注目を集めていますが、旅館業法やラブホテル抑制条例の過剰規制は放置されたままです。当社では業界団体を通して要望書を提出したり、厚生労働省・生活衛生課を訪ねて直接意見交換を行ったりしました。こうした営業規制だけでなく、市街化調整区域で宿泊施設が建てられないなどの建築規制や、就労形態に関する問題もあります。時代遅れで不合理な規制は、事なかれ主義・先例主義、業界に対する予断偏見を含め、改めていかなければなりません。ベンチャービジネスを切り拓く者は、直面する障害から逃げず、正面からチャレンジし続ける点にこそ存在意義があるはずです。

宿泊業界は、インバウンド客の増加で沸いていますが、構造不況業種として苦しんだ歴史を繰り返さないか大きな不安を感じています。観光客に過度に依存することが健全なことなのかという根本的な疑問もあります。「ファミリーロッジ旅籠屋」の場合、海外在住者の割合は1%にも達しません。そんなものに頼らずとも、宿泊施設の果たすべき役割はもっと本質的で、可能性は大きいと考えるのですが、いかがでしょうか。

 
バックナンバー(過去の日記)です

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「旅籠屋主人のベンチャー日記」 (雑誌「戦略経営者」連載)はこちら